2026.02.19
【リペア+補色の修理事例】
パーソナライズメニュー「色変え」
土屋鞄では「時を超えて愛される価値をつくる」ことを目指し、専門の職人による修理体制を整え、長く製品をご愛用いただける環境づくりに取り組んでいます。
今回は、リペアと補色を組み合わせた修理の一例としてパーソナライズメニューの「色変え(黒色に変更)」工程をご紹介します。
ご依頼いただいたのは、2013年の限定色のショルダーバッグ。お客さまがお母さまから譲り受けた、大切な一品です。
長年のご使用により表面には細かな傷が見られましたが、角の擦れも少なく、とても丁寧に使われてきたことが伝わってきます。今回は黒色への色変更をご希望いただきました。
長年培ってきたリペアの経験と補色技術を組み合わせ、鞄を生まれ変わらせていきます。
まずは塗装前の下準備。細かな傷周辺をヤスリでならし、色が均一にのるよう整えます。
続いてマスキング作業。塗布する部分と、塗布しない部分を明確に分ける、仕上がりを左右する重要な工程です。革と金具の境目や、構造上生まれる細かな隙間は、特に慎重に処理していきます。
内装生地にも色が着かないように、ビニールでカバー。全てのマスキングを完了後、塗布を行わないショルダーベルトを外して補色工程へ進みます。
革に自然になじむ色合いを目指し、複数の塗料を正確に計量・調色します。
色が入りづらい箇所を筆で塗った後、スプレーガンを使って全体に均一に色を重ねていきます。
鞄表面の塗布が終わった後は、ファスナーの交換に取り掛かります。
美しい仕上がりのために、慎重にパーツを外し、パーツの境目の部分まで細かく色を入れます。
職人は慎重に位置を調整しながら、ファスナーを鞄に付け直していきます。
続いて内装生地の縫い穴の位置を合わせ、マップピンで固定。その後、縫製を行います。
新たに仕上げたショルダーベルト、ファスナーの引き手を取り付け、ベルトの長さを元の位置に合わせて調整します。
無事仕上がりました。最後の画像だけ見ると、最初から黒色の鞄だったように見えるかもしれません。冒頭の画像と見比べてみましょう。
土屋鞄の修理では、リペアと補色を組み合わせることで、ここまで製品を生まれ変わらせることができます。
これからも長く使っていただくことを目標に、熟練の職人による手直しを行ってまいります。
ご愛用品について気になることがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

